「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」
美貌で美脚。傍若無人のキャリア系女子・アラフォー独身難しいお年頃の椿木綾乃警部。実はキレ者?それともただのマゾ?小山田聡介刑事。真面目にバイトで日銭を稼ぐ、魔法使い少女マリィ。魔法があれば、犯人なんてすぐわかる!・・・なんて都合良くありません。謎と魔法のユーモア・ミステリー。
烏賊川市シリーズ、毒舌執事に続いて、今度は魔法使い!短編をどこかで読んで、おもしろかったので・・・。犯人が冒頭で明かされる、コロンボ形式のミステリーです。
ミステリーとファンタジーの融合って、あんまりおもしろくないイメージがあったんですが(魔法のルールがご都合主義すぎるとか)、これはおもしろかったです。いい意味で役に立ってない魔法。笑。
「魔法使いとさかさまの部屋」映画監督の妻が殺害された。奇妙なことに、殺人現場の部屋の中にあるものがほとんどさかさまになっていた。容疑者である夫は片手が使えないため、短時間で部屋中のものをさかさまにするのは不可能なのだが・・・。魔法であっさり犯人自白!だけど、証拠が必要・・・ということで、小山田刑事のカンが冴えます。小山田刑事、キレものです。変態だけど。今回は、逆さの映像がキーポイント。液晶テレビって正面から見たら確かに上下の違いはないけど・・・。自立型なら逆さま設置は難しいけど、壁にかけるタイプ(あるの?)ならできんことはないのかな。
「魔法使いと失くしたボタン」容疑者は、ジムを経営するインストラクター。マッチョな体を生かした力技の犯罪を実行するが、現場で落としたひとつのボタンが、トリックの綻びとなる。またもや家政婦で登場のマリィ。魔法で犯行をゲロさせるも、やっぱり証拠がない!マッチョでなければできなかった、秘儀・イスごと死体を運んじゃえ☆だけど、マッチョであるがゆえに証言との矛盾が生まれてしまった・・・。アホな犯人に親しみさえ覚える・・・。
「魔法使いと二つの署名」彼はただの物まね芸人ではなかった。筆跡鑑定さえ欺くことのできる模写の達人なのだ!モシャス!社長を自殺に見せかけて遺書を偽造した犯人。しかし、その犯行が社長の愛人にばれ、彼女も殺すことになる。遺書の署名だけ直筆のサインって、おかしいような。2度目の殺人も全く同じ手口はまずいでしょう。笑。なんかもう、アホやなあ・・・。
「魔法使いと代打男のアリバイ」プロ野球選手の犯人は、自分と瓜二つの身代わりを用意して、犯行を行う。今回はビールの売り子として登場するマリィ。ボールに「私が犯人です」と書かせる魔法。これがあったら、警察も楽になるんじゃないの?笑。毎度のことながら、証拠がないため犯人のアリバイを崩さないといけない。スポーツ新聞の記事の差し替え、という結構マニアックな事例がトリックを崩す鍵になりました。最後は小山田家の家政婦に・・・。ハッピーエンドな感じです。
まあ、むずかしいことは考えずに、こういうものと思って読んだらおもしろいですよ。割りきりができる人向き?笑。推理にも一応スジは通ってるし・・・。
まさかの続編もでてますね。このパターンでずっとひっぱるのは難しいと思うんだけど。どうなってるのか興味はあります。
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